Delta Fly PharmaのIPOについて-1

本日2018年9月5日に、Delta Fly Pharmaのマザーズ市場への上場が承認されました!おめでとうございます!

バイオベンチャーの上場は、2017年3月のソレイジアファーマ以来でしょうか。日本の市場では本当に久々ですね。約1年半ぶりです。

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Delta Fly Pharmaは、2010年に江島清 徳島大学客員教授によって設立されました。江島氏は元々大鵬製薬の研究センター長で、研究畑出身の方です。

 

〇パイプライン

デルタフライファーマは5つのパイプラインを所有しており、主にガンを標的疾患としています。

1stパイプラインは、AMLを標的としているDFP-10917です。デオキシシチジン誘導体で、細胞周期の調整が基本メカニズムです。現在、米国でPhase3、日本でPhase1を実施しています。日本のライセンスに関しては、2017年に新日本科学にライセンスアウトしています。

2ndパイプラインは、DFP-10917で、こちらは日本でPhase2試験を実施しており、協和化学工業にライセンスアウトしています。

3rdパイプラインのDFP-11207は、チミジル酸シンターゼ阻害剤で、固形がんを標的疾患として米国でPhase2を実施しています。

 日本のバイオベンチャーでこれほど複数のパイプラインを並行して開発し、しかも米国でPhase3まで実施している会社は珍しいのではないでしょうか。

 

〇資本政策

有価証券報告書から資本政策を分析してみました。

A種優先株の詳細などは不明であるため、一部推察を含んでいることをご承知おきくださいませ。

 

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これを見てみると、最終的なVC比率は約40%、事業会社比率は約30% となっています。バイオベンチャーらしい、外部株主が多い資本政策になっております。

シリーズC、Dは並行ラウンドになっています。開発面での進捗があまりなかったのかもしれませんね。この2つのラウンドではPre14億で、12億集めていますので、かなり切り出しをしている印象ですね。

最後のシリーズEは2018年3月に実行しています。かなりおいしい投資になる気がしますね笑

上場時バリュエーションですが、過去事例を見ていると150億~200億といったところでしょうか。そうすると、リードのNVCCの収益は20億円前後と想定されます。

Compsからの上場時バリエーションに関してはまた考察してみたいと思います。