資金調達情報 2018.9.5-2018.9.10

今回から、調達情報は週一度にしようかと思います。

それ以外の時は、ファイナンス以外の情報について書いてみたいと思います。

今週もバイオ・ヘルスケアベンチャーの調達情報は多くありました。

目に付いたものをあげてみます。12件の資金調達情報がありました。

多いですね。。。日本だったら下手したら半期で10件ないかと思います。。。

 

・Scipher MedicinegがシリーズAで$10Mを調達

4D Molecular TherapeuticsがシリーズBで$90Mを調達

・Mirrorが$25Mを調達

Twentyeight-Seven TherapeuticsがシリーズAで$65Mを調達

Notable HealthがシリーズAで$13.5Mを調達

Genomics plcgがシリーズBで£25Mを調達

PhaseBio PharmaceuticalsがシリーズDで$34Mを調達

Cricket HealthgがシリーズAで$24Mを調達

Body Vision Medicalが$8.5Mを調達

Azeria TherapeuticsがシリーズAで£4Mを調達

・Alpha Tau Medicalが$29Mを調達

・Fulcrum TherapeuticsがシリーズBで$80Mを調達

 

この中から、著者が興味深いと思った会社を見ていきたいと思います。

1、 4D Molecular Thera.がシリーズBで$90Mを調達

カリフォルニアのエメリービルを拠点とする4D Molecular Thera.がシリーズBで$90Mを調達しました。今回のリードは、Viking Global Investorsで、ArrowMark Partners, Janus Henderson Investors, The Biotechnology Value Fund, MiraeAsset Financial Group, Pappas Capital & Chiesi Ventures, Pfizer Venturesなどが参画しています。

www.4dmoleculartherapeutics.com

 

4D Molecular Thera.は次世代のAAVを開発している遺伝子治療薬開発ベンチャーです。

1stパイプラインは、4D-110で先天性脈絡膜欠如 と呼ばれる希少疾患を標的としています。この疾患は網膜の編成によって発症し、悪化すると失明する疾患です。このプログラムは、2019年に臨床試験入りする予定となっています。

当社も大手製薬会社とのディールが進んでいます。

本年4月にはロシュと眼科領域での研究開発、7月にはアストラセネカCOPDに関する研究開発のディールを締結しています。他にも心疾患、筋肉系の疾患にもパイプラインがありますが、いずれも希少疾患です。遺伝子治療はやはり希少疾患との相性が良いですね。

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2、Fulcrum TherapeuticsがシリーズBで$80Mを調達

マサチューセッツケンブリッジを拠点とするFulcrum Thera.がシリーズBで$80Mを調達しました。今回のリードは、Foresite Capitalで、 Fidelity Management and Research Company, 6 Dimensions Capital, Casdin Capital, Sanofi Venturesなどが参画しています。

News — Fulcrum Therapeutics

Fulcrum Therapeuticsは、CRISPR-Cas9を用いた遺伝子編集技術を所有しています。

顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)を標的とした治療薬を開発しており、2019年にIND入りする予定となっています。DUX4遺伝子のD4Z4 repeatが短縮しているのを修正するというメカニズムです。

他にもDMD、Fragile X syndrome治療薬も開発しています。またアルファシヌクレインを標的としたパーキンソン病治療薬もパイプラインとして所有しています。

他の疾患でPOCが取れれば、パーキンソン治療薬のバリューが上がりそうですね。

 

3、Twentyeight-seven Thera.がシリーズAで$65Mを調達 

マサチューセッツケンブリッジを拠点とするTwentyeight-seven Thera.がシリーズAで$65Mを調達しました。今回のリードは、MPM CapitalとNovartis Venture Fund で、Johnson & Johnson Innovation, Vertex Ventures HC, Longwood Fund, Astellas Venture Managementが参画しています。アステラスのベンチャーキャピタルですね!

Series A — Twentyeight-Seven

 

Twentyeight-seven Thera.はmicroRNAを標的とする創薬ベンチャーです。RNAを直接狙うのではなく、RNAの発現を制御しているタンパク質(RMPs)を標的とする小分子を開発するプラットフォームを所有しています。

1stパイプラインではLin28を標的としています。Lin28はガン原因因子であるLet-7の発現に関与しているRMPです。足元の開発状況は不明ですが、RMPを標的とする小分子化合物を開発するという発想は興味深いですね。

当社のファウンダーの一人に日本人女性のKazumi Shiosakiさんがいらっしいます。彼女は、2003年からMPMにジョインしていて、バイオベンチャーの設立を主な業務としているようです。アステラスが買収したMitbridgeも彼女がファウンダーのようです。

今回アステラスが入った理由もそこにあるかもしれませんね。

額も大きいし、今後も着目していきたいですね。

 

今回は以上です。