YC 2018 Summer Demo 1st Day 採択企業紹介−1
先日Demo Dayが開催されたYC 2018 Summer。
先の記事でも紹介しましたが、63企業のうち広義のバイオ・ヘルスケア関連企業は、23社ありました。その割合は、なんと36.5%。
目立ったのは食品関連企業で、フードテックの繁榮が見て取れますね。
その23社のうち、今日は創薬、医療機器、検査システム関連企業を紹介してみたいと思います。
1、Higia
Higiaは、EVAと呼ばれるウェアラバウルデバイスを作製しており、それで女性の乳がんをスキャンしようとしています。デバイスをつけることで、温度を検知してガンの有無をスキャンするようです。臨床試験をスタンフォードで2018年10月から実施予定の模様です。
ウェアラブルデバイスは、装着のここち、感度、精度が重要かと思いますので、そこらへんが要チェックですね。
↓デバイスの写真。本当にブラジャー様の構造です。
デバイスの形は、違いますが日本でもLily MedTech社が乳ガン様検知装置を作製していますが、こちらは超音波を使っているのとウェアラブルではありません。
上記課題が解決されるのであれば、ウェアラブルの方がいいかもしれませんね。
2、HepaTX
HepaTXは、スタンフォード発の技術を用いた肝炎治療薬を開発する創薬ベンチャーです。患者から単離した脂肪細胞から肝細胞を再生することで治療効果を期待するとのことです。ファウンダーは、Eric SchuurでUCLA, Stanford, Scripps Research Instituteで研究者として、Calydon, Inc., Asthmatxといったスタートアップではクリニカルマネージャーを経験しており、UCLAでPhDを取得しています。
技術の詳細は不明ですが、脂肪細胞はガン化もしにくいし、単離方法も確立されているので期待できるのではないでしょうか。
3、Allotrope Medical
Allotrop Medicalは、医療機器を開発しているベンチャーで、電気刺激で平滑筋を刺激することで、尿管の位置を探し出す機器を開発しています。
全米で、腹部への外科手術は年間に300万件実施されており、尿管を傷つけてしまうことで$3.2Bの損害があるとのことで、それを回避するためのデバイスとのことです。
今FDAと上市の相談中で、来年度にも発売を予定しています。
また当社は、カプセル型のデバイスも開発しています。これは手術後の便秘を克服することで入院日数を減らすことを目的としている様です。
↓カプセル型のデバイス
4、DemonPore
Demonporeは体内の様々な分子、DNA、タンパク質などを測定するナノ分子を開発しています。ここはHPもほとんどなくって、正直実態がよく掴めないのが悔しいところです。DNAの修飾や、Mutationが検知できるのであれば、創薬、検査などに幅広く使えそうな気がしますが、検知する内容ごとにナノ分子を作って、承認を取らないといけないのであればかなり大変そう。
5、Data Driven Biosciences
Date Driven Biosciencesは、遺伝子診断技術を有しており、従来の10倍の速度、10倍の安さで検査結果を出せるサービスを提供しています。
検査機器はすでに各病院にあるものを使い、自社で作製した解析ソフトをクラウドで提供する様です。Saasでマネタイズできるのは非常に面白いですね。